こんにちは。matsue-akiyadaisuki(@matsueakiyasuki)です。
不動産投資で戸建を手掛けていると割と見かけるのが、壁に照明が埋め込まれて壁を挟んだ2つの部屋の両方に光を届ける照明器具。正式には両壁面照明(バルベット)と呼びます。
現在新築で建てられる住宅で使われることはほぼありませんので、今見るとかえって新鮮だったりします。
今回私が手掛けた物件にもこの両壁面型収納カバーが付いてました。せっかく貴重な照明ですので、これを活かしつつ、カバーを交換して、レトロな外観と見た目の清潔感の両立を図ってみました。
この記事ではこのような疑問にお答えしています!
そもそも両壁面照明ってどんなもの?
両壁面照明を実際に見たことがない方も居ると思います。そもそも、両壁面照明とは何でしょうか。
別名「バルベット」とも呼ばれる両壁面照明は、壁の真ん中に埋め込むように設置され、隣り合うトイレの大便器と小便器の個室、または玄関の中と屋外という2つの仕切られた空間を1個の照明で賄うことを狙った照明です。
簡単で恐縮ですが、下記のようなイメージです。2つの部屋の真ん中の壁を一部くりぬき、上から電球を取り付けるソケットを設置、穴の両側はプラスチック製のカバーを取り付け(まれに剥き出しの場合があります)、2部屋の照明を1つの照明でカバーするエコな仕様です。
これを考えた人は天才じゃないかと思っていますが、光量が不足気味になる事もあり、近年はあまり使われていません。
今回、私がリフォームする物件にもこちらの両壁面照明が設置されています。築45年くらいですので使われてても不思議ではありません。
せっかくついているものですし、程よいレトロ感がリフォームのコンセプトにも合っているのでそのまま残すことにしました。
しかし全くノータッチで良いというわけにはいきませんでした。
両壁面照明は修理できるのか?
この物件の両壁面照明(バルベット)はトイレではなく玄関についており、室外と室内の玄関照明を兼ねていました。早速状態を観察してみます。
両壁面照明は外側のカバーが劣化しやすい!
チェックしてみた所、問題なく点灯はするのですが、室内、室外ともカバー部分のプラスチックカバーが劣化しひび割れていました。
ひび割れてない部分も劣化で曇りが出ており、このままでは清潔感は感じられません。おそらく新築されてから45年、一度も交換されていないのでしょう。
でも、逆に言えばこのカバーだけでも交換できれば見た目の清潔感は上がります。そこで、今回は両壁面照明(バルベット)のカバーだけを交換することにしました。
両壁面照明のカバーはここで入手できる!
交換すると決めたのは良いのですが、大昔の製品ですからパーツは普通に考えればもう作っている会社はないはずです。実際、リフォームを依頼した工務店からは「在庫がない」と言われていました。
とはいえ物件全体のイメージを考えるとここの妥協はなるべく避けたい。というわけでネットを血眼になって探していたら、探した限りでは日本に1社だけ現在も部品を製造している会社を見つけました。
愛知県瀬戸市に所在するその会社の名は「株式会社 栄興電器工業所(えいこうでんきこうぎょうしょ)」さん。後で気づいたのですが、今ついている古いカバーも栄興電器さんの製品でした。昔からトップシェアを誇っているのかもしれません。
今回発注した製品は「品番#26 6×8バルベット」という製品です。
この製品は6×8サイズということなのでおそらく6寸×8寸(1寸は3.0303センチ)でしょう。事前に測っておいたサイズともピッタリです。
そして、驚くのはそのお値段。なんと税込750円!もう驚きを通り越して感動です。送料は750でしたので合計で1,465円(税込)です。これほど価値あると感じた1,500円の出費は久しぶりです。
また、そもそもの話なのですが、栄興電器さんが素晴らしいのは私のようなエンドユーザーに1品単位でも販売して頂ける事です。意外と障害になる部分ですので、大変ありがたいです。
注文は栄興電器さんのウェブサイトの専用フォームより行います。今回私は深夜に発注したのですが、数時間後の朝6時半には返信を頂くという超スピード対応!
もちろん、代金は振込後の発送となりますので、お急ぎの方は振込を迅速に行いましょう。
それにしても本当に今回は栄興電器さんには本当にお世話になりました。ありがとうございます!
両壁面(バルベット)の交換パーツの内容とは?
発注した商品も発注から1週間以内に到着しました。この迅速な対応も本当にありがたいです。到着した両壁面照明(バルベット)はこんな外装に入って到着しました。レトロ感漂う感じがたまりません。
開封するとセット内容は下記の通りでした
- バルベットカバー×2
- バルベットカバー枠×2
- 枠の取り付け用ねじ×8
1つのセットで両面のカバーが交換できます。これはうれしいです。たとえ破損しているのが片側だけだったとしても、あえて両方を交換する事で美観がアップします。
繰り返しになりますが、これが送料込みでも1,500円しないのは本当にコスパ高いです。この値段ならたとえ破損がなくても新品に交換したほうが内覧時の印象はかなり変わるはずです。
バルベットカバーの交換方法とは?
材料が手に入りましたので、いよいよ取り付けに入ります。
両壁面照明カバーの交換に必要な道具は?
交換には下記のものを用意します。
- バルベットカバー・枠、ネジの栄興電器さんから購入したセット一式
- 替えの電球
- アルミサッシのレールなどを掃除する小さめのブラシ
- プラス、マイナスドライバー各1本
交換する部品が必要なのは当然として、せっかくカバーを開けて電球を剥き出しにするわけですから、このタイミングで長寿命、省エネ、高光量のLED電球に交換をおススメします。
経験上、現状は昔ながらの白熱電球が入っている場合がほとんどです。両壁面照明は電球が切れると交換も少し手間ですので、入居される方の為にもこの機会に交換しましょう。
電球のサイズについて、ほとんどは一般的なE26口金の電球で問題ないと思いますが、心配な場合は、電球の購入前に一旦次でご紹介する方法でカバーを外して今ついている電球を確認してください。
電球のサイズについては、下記のサイトに詳しく記載があります。
3.のブラシですが、カバーを外すと内部にはクモの巣やホコリ、砂などが入っていることがあります。これを取り除くためのものです。100均のブラシで十分です。
4.ドライバーは念のためにプラス、マイナス両方あるとよいです。こちらも100均のもので十分です。付属のネジはプラスですが、今ついているネジがマイナスの場合があるので両方あると安心です。
これだけあれば交換は問題なくできるでしょう。
バルベット交換手順を解説します
いよいよ交換作業を開始します。上の画像は交換前です。経年劣化で表面が黄色くなり、ヒビも入っています。これは要交換です。
まず内側から交換します。通常ならば最初に画像にある四隅のネジを外して枠ごと取り外すのですが、この作業の前段で周囲の壁紙を交換しており、壁紙はこの枠に沿って切られています。
微妙に新品の枠と今ついている古い枠の外側のサイズがわずかに異なり、壁紙に変なすき間が出来てしまいそうだったので、急遽壊れていない枠はそのまま活用し、カバーだけを交換する事にしました。
カバー単体の交換は工具は要りません。カバーの両側を掴みながら引きだすだけです。ヒビはおそらくこの交換作業の時に発生したのでしょうね。
取り外すとこのようになっています。なお上記の画像は逆の外側から見て、かつ両面のカバーを外した所です。なるほどこういった構造になってるんですね。
この状態でブラシを使って中のクモの巣やホコリなどを掃除します。掃除が完了したら今ついている電球を用意したLED電球に交換します。
その後、新品のカバーを同じ手順ではめなおすだけです。
画像が多少前後しましたが、こちらは反対側の外側の交換前です。こちらも劣化が酷く、ひび割れています。こちらは枠もかなり傷んでいるので交換します。
四隅にあるマイナスネジを外しますが、屋外という事もありかなり錆びており外すのに苦労しました。掃除と電球交換は先ほど室内側から行いましたので、新しい枠とカバーをセットして、付属のネジで止めて完了です。
交換後のビフォーアフター
交換前
交換後
やっぱり新品は良いですね。枠もカバーも退色、破損がなくなり玄関がパリッとしました。電球もLED電球に交換したので当分切れることもないでしょう。ちなみに所要時間は両面で15分くらいでした。
絶対にカバー交換は行った方が良いです
いかがでしたでしょうか。今回交換して感じたのは「照明カバーのような細かい部分が新品になるだけでも清潔感が上がる」という事。
壁紙やフローリングの様に大きな面積を占めるわけではないので、一見した時のインパクトはありません。でも可能な範囲でこのような細かい修繕・交換を行っておくと、物件全体の仕上げレベルが確実に上がります。それが入居付けにも貢献するのではないでしょうか。
しかも、今回交換に要した費用はたったの1,500円です。1,500円で玄関灯と室内照明が新品になるならやらない手はありません。
次回も両壁面照明がある物件を手掛けるときは、必ず交換しようと思います。
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